撮影位置・姿勢情報に基づく観光地映像ブラウジングシステム

鈴木雄大,岩崎希世子,神原誠之,山澤一誠,横矢直和


<目的>


多数の撮影位置・姿勢情報の既知である映像が地図上で共有されている場合に,
・撮影位置・姿勢と被写体に基づく尤度を利用した重要度を反映した検索結果の提示
・撮影位置・姿勢を利用した動画像系列の表示
によって効率的に閲覧できる映像ブラウジングシステムの構築を目指す.


<システム>

[観光地映像の重要度]



観光地において撮影位置・姿勢の履歴が大量に保存されている場合に,
撮影頻度の高い位置・姿勢情報を被写体を撮影するのに良いと思われる位置姿勢とする.
「索引尤度」:ある位置における被写体の撮影される可能性の高さ
「重要度の高い映像」:尤度の高い位置・姿勢で撮影された映像


[索引尤度の設定]

半自動の索引付けの手法である 岩崎らの手法 によって生成される索引尤度データベースを利用する.

[映像の索引と重要度の設定]



映像の各フレームは被写体に関する索引名と索引尤度を持ち,
索引尤度から被写体に関する映像の重要度を算出し,
この重要度に基づいて映像の検索結果を提示する.


[インタフェース]



「検索ボックス」:入力された観光地の施設名に関する映像を検索する.
「観光地選択リスト」:観光地の地図を切り替える.
「地図ビュー」:観光地の地図を表示し、撮影位置・姿勢情報に基づく観光地映像の内容を表示する.
「検索結果のサムネイルビュー」:重要度の高い順番でキーフレームを表示する.
「映像再生ビュー」:ユーザによって選択された映像を再生・停止する.


[操作方法]



@観光地選択リストから目的の観光地を選択して付近の地図を表示
Aキーボード又は施設名選択範囲を右クリックすることで検索ボックスに観光施設名を入力
B検索結果の撮影位置・姿勢マーク又はサムネイルをクリックで選択することにより映像を選択
C選択した映像を閲覧する



<実験>

[索引尤度データベース]



岩崎らの手法 を用いて構築した,奈良公園内の「五重の塔」,「東金堂」,「南円堂」にうちての索引尤度データベースを示している.
撮影した写真は181枚で,そのうち72枚が「五重の塔」として索引付けされた.


[各フレームの索引尤度]



索引尤度データベースを用いて五重の塔付近で撮影した映像の各フレームに,五重の塔の索引尤度を取得した結果を表している.
索引尤度の低いフレームでは五重の塔が写っていないことや木の陰に隠れていることがある一方,
索引尤度の高いフレームでは五重の塔が写っていることが確認できた.


[重要度と索引尤度の関係]


五重の塔周辺で撮影した映像18本について,それぞれの映像重要度を算出し,映像の順位付けを行った結果を示している.
高い索引尤度を含む映像は上位に位置しており,索引尤度データベースを反映した映像重要度が設定されていることが確認できる.
また,最大索引尤度が最も高い値を持つ映像15については,索引尤度が0であるフレームが多数存在するために,映像としての重要度
が低く設定されていた.このような場合には重要部分映像のみで重要度を算出することによって,索引尤度データベースをより反映した
重要度の設定ができると考えられる.





高い順位であった映像5や映像9の各フレームは索引尤度の高い五重の塔周辺や,五重の塔全体が写っているものであった.
これに対して,映像13のように低い順位であった映像13の各フレームは索引尤度の低い五重の塔の裏や五重の塔に極端に接近した位置から
撮影したものであった.



<まとめ>

本研究では多数の映像から映像内容を容易に把握可能なブラウジングシステムを試作した.
ブラウジングシステムには,撮影位置・姿勢と被写体に基づく尤度を利用した重要度を反映した検索結果の提示機能と撮影位置・姿勢を
利用した動画像系列の表示を行う機能を実装している.
この二つの機能を使うことで,


という新しいブラウジング方法を提案した.